昔、心もとない懐具合の中、オーディオに凝っていた事がありました。10万クラスの単品(所謂入門機ですね)がほしくてほしくて、1年毎にこつこつ買ってたり。
(今はお休み中。オーディオって機械だけじゃなく「環境(部屋の防音性など)」がかなり大切ですから。いい部屋に引越ししたら再燃するかも)
その頃は、今以上に懐具合が寂しかったので、すべてにお金をかける余裕なんて無し。結局何かをあきらめざるを得ない状況でした。そんな中参考にした意見というのが
「お金かける順番は『プレーヤー』→『アンプ』→『スピーカー』」
ただし、この考え方の私なりの解釈は「理論的」じゃなく「感覚的」な物だったりします。
基本的に、物事は間に「処理」が発生すると、情報の「劣化」がおきます。オーディオシステムで言えば、CDなどの原版からプレーヤーで電気信号を「抽出」し、その信号をアンプで「増幅」し、スピーカーを使って電気信号から音に「変換」する訳ですが、各ステップごとに当然「劣化」が起こります(無論、途中のケーブルなんかでの「伝達」でも劣化しますが...ここではそこは考えに入れません...ややこしくなるから)。
そこで、まずは劣化を無理やり数値に置き換えて考えて見ます。例えば、100点の音源が録音されているCDを再生した時、各機器10パーセント信号の劣化が発生すると仮定した場合、スピーカーから出てくる音は
CD→プレーヤー→アンプ→スピーカーで100点→90点→81点→74点
となり、74点の音が出て来ると考えられます。
(本来は、スピーカーによる劣化が非常に大きいのですが...判りやすくするため同じにしました)
で、各機器同じ価格帯(同じ程度の品質)なら、上記のように劣化度合いというのはほぼ均一と考えていいと思いますが...そこはオーディオファンの悲しい性、どこか一つでもいいものを使いたいという欲求が出てきます。で、そのような場合の劣化度合いの違いを計算してみると...
(性能がプレーヤー>アンプ>スピーカーの場合)
・プレーヤー・アンプ・スピーカーで5,10,30パーセントの劣化が発生した場合
CD→プレーヤー→アンプ→スピーカーで100→95→85.5→「59.85」
(性能がプレーヤー<アンプ<スピーカーの場合)
・プレーヤー・アンプ・スピーカーで30,10,5パーセントの劣化が発生した場合
CD→プレーヤー→アンプ→スピーカーで100→70→63→「59.85」
となり、数字上は「一緒」なんです。
まぁ、数字上の話はこれくらいにして、当時のオーディオの世界で展開されていた議論の中に、劣化させるにも「入り口を優先」か「出口を優先」かという議論がありました。前者の言い分としては
「入り口が悪い音で、出口が良いと入り口の悪さをストレートに表現してしまう」
というもの。逆に後者の言い分は
「出口(スピーカー)が悪い音だと、どんないい音を入れても悪い音にしかならない」
というものです。
#ここに、さらに「音源(ソース)」の話も絡んできたりするともう大変
##昨今の「流行歌」見たく「(周波数での)上下をカット」したCDをハイエンド機で
聴こうが、入っていない音は出てこないとか何とか...
ここで、私の経験上の話を一つ。昔ラジカセしかもっていなかった頃、無論メインの音源は「カセットテープ」だったわけです。そんな時、単品のカセットデッキを購入しラジカセのライン入力に入れて音を出したときの衝撃...余りの音のよさに、何度も聞きまくりました。
やがて、私は親のステレオを譲り受けました。それはアンプ・チューナー・スピーカーとアナログプレーヤーのみ。メインの音源がカセットだった私は、早速手持ちのカセットデッキとラジカセ(テープダビング用の為)を接続しわくわくしながら再生しました。カセットデッキの音はさらに磨きがかかっていい音で再生されて大満足。いい気分で、引き続きラジカセで再生したテープの音をステレオから流してみると...
「ラジカセの音そのまんま?」
先ほどいい音を奏でていたスピーカーからは、ぼやけてはっきりしない音しか出てこない。テープを変えても同じこと。数日試した後、テープのダビングは諦め、ラジカセの接続をはずしました。
つまり、極端な例ですが私はこのとき「悪い音は何をどうしても悪い音のまま」「いい音は、出力が弱くても、それなりにいい音で聞こえる」ということを「経験」したわけです。なので前述の意見については素直に「入り口を優先」を今でも支持してたりします。
長くなったし、夜も遅いので、続きは後日ということで...
#単に考えがまとまらなかったとも(自爆)